今注目のライブコマース
コロナ禍以降、外出規制などの理由からオンラインショッピングが盛んになり始めました。
その中でも、「ショッピング」と「ライブ配信」を掛け合わせた「ライブコマース」は、ライブ配信を視聴しながら買い物をすることができるので、日本でも徐々に浸透しはじめています。
このライブコマースという販売形態ですが、実はコロナ禍以前から行われており、2018年のライブコマースに関する調査では日本の男女平均視聴率は男性が21.6%、女性は21.9%となっていました。
ライブコマースに関連するEC小売業は2019年に19.4兆円まで増加しており、徐々に日本もオンラインショッピングが注目されていることが見受けられると思います。
しかし、2018年の中国ではEC小売業の売り上げが約210兆円にまで達しており、ライブコマース市場だけでも1.5兆円の流通があり、日本とは比較にならないほど流行していることが分かります。
なぜ中国では大流行し、日本ではあまり流行していないのでしょうか。
中国のライブコマース
中国のライブコマースでは、クーポン配布や共同購入によって大幅な値下げが期待できます。
実際、半額以下は当たり前になっており、70%近い割引もあるようです。
また、先着順や抽選などの割引を行うことで、普通に買い物するよりもかなり楽しくお買い物できることが大きな魅力だといえるでしょう。
さらに、中国ではいわゆる「贋作」が多く出回っていることも問題になっています。そういったものが出回らないよう、配信者は商品の仕入れ先や品質を徹底的に調査したうえで販売を行うので、消費者は商品に対する不安なく購入することができるのも魅力の1つです。
こういった背景から、中国ではライブコマースが流行しているようです。
日本のライブコマース
日本でのライブコマースが流行しない要因の一つに、成功事例の少なさも挙げられます。
日本は2017年ごろからライブコマース市場に参入するプラットフォームが増加しました。
ライブコマースには「SNS型」「アプリ型」「ECモール型」「ECサイト埋め込み型」の4種類があり、特に「ECモール型」のプラットフォームには撤退した事業者が多くいることが分かっています。
これらの事業者が有名だったため、ライブコマース失敗の印象を強く与えたようです。
失敗の原因は様々ですが、大きな原因としてはコメント機能の使い方にあります。
ライブ配信には「コメント機能」があり、配信者と視聴者がコミュニケーションを取ることができます。コメント機能はリアルタイムに商品の質問ができるので、ライブコマースでは必須の機能ですが、コメントの質が悪く荒らしによって炎上してしまう失敗例が過去いくつも発生しました。
そのため、荒らしや誹謗中傷などの禁止行為に対応できるように、配信者側も対策を強化しておく必要があります。しかし、十分な対策ができるほどの配信者は少なく、コストに見合わないためライブコマースサービスが終了してしまうようです。
他にも「サーバーの管理費が高い」、「配信者の不足」等の問題があり、なかなか継続したライブコマースサービスが配信できないため、流行しないと言われています。
今後のライブコマース
事前の準備は必要だが、ライバルも少なく、使い方によっては売り上げの増加につながるので、ライブコマースに挑戦する価値は大いにあると思います。成功例が多発し、多くの人が利用しやすい環境になれば、youtubeのように配信する人が増え、いずれライブコマースのインフルエンサーが現れるかもしれません。今後のライブコマース市場は注目です。