流行とは
毎年季節ごとに「今年の注目カラーはこのカラーです!」と、TVや雑誌でも特集が組まれているのを見かけると思います。
実際、毎年季節が変わると、多くのファッションブランドではトレンドカラーの各種アイテムが続々と発売されています。
このトレンドカラーというのは一体誰が決めているのか、気になったことはありますか?
トレンドカラーとは
実は、トレンドカラーは2年前から決められています。トレンドカラーを決定するのは国際流行色委員会(International Study Commission for Color)で、「インターカラー」と呼ばれる国際組織です。
インターカラーは、イタリア、スイスをはじめ、スペイン、アメリカ、中国、韓国、日本など14か国の加盟国で構成されています。
そこでは、加盟国が持ち寄ったカラーをプレゼンし、各国で精査の会議を重ね、世界的なトレンドカラーの方向性を定めていきますが、特定の一色が決まるわけではなく、次世代に共感できるカラーや素材の質感、配色のポイントまで提案されます。
その後、会議で決定された方向性をもとに、それぞれの国の代表団体が自国のトレンドカラーを選び、トレンドとして発信していきます。
日本では、日本流行色協会(JAFCA)が代表としてインターカラーの会議に参加し、国内のトレンドカラーを選定しています。そのため、日本流行色協会の会員になることで、2年後のトレンドカラー情報を知ることができます。
なぜ、トレンドカラーは2年前という期間から決められているのか疑問に思うかもしれません。その理由は、服ができあがるまでの過程に時間を取られてしまうからです。
服が店頭に並ぶまでには、
- 生地や材料の選定、作製など
- ファッションショーの実施
- 販売開始
といった段階を踏む必要があります。
そのため、2年前からトレンドを決めて動き出していかなければ間に合わないのです。
なぜトレンドカラーを決めるのか
トレンドカラーと聞いて、ファッション業界が販売促進のために流行らせようとしていると考えている方もいらっしゃるかと思います。
しかし、トレンドカラーは社会的な動向や市場の状況などをもとに選定されています。
たとえば世界中が経済的不況や戦争状態、感染症のパンデミックといった暗いムードが流れているときは、ピンクやオレンジなどの明るめの色調やトーンがトレンドカラーとして選ばれる傾向があります。
反対に、好景気のときは、このまま安定的に現状を維持しようという意識が働き、ブルーやグリーンといった落ち着いたカラーを選定する傾向があります。
つまり、トレンドカラーは国際的な会議で決められていて、世界の状況を反映し、全員が納得し共感できるようなカラーが選ばれているということです!
ちなみに2022年秋冬の流行色は
- ベリーペリ
- ロイヤルブルー
- バービーピンク
- スパイシーイエロー
- リラックスグリーン
などが含まれています。
まとめ
トレンドカラーはメーカー等が出した商業的な流行というわけではなく、公式な機関が世界的な情勢を加味して決定していました。
仕事や育児などで忙しく、トレンドカラーに疎いという方でも、今年はこんなカラーなのかと知っていただき、差し色としてでも取り入れていただけると幸いです。