チーズは酒のつまみにはもちろん、さまざまな料理で活躍してくれます。ご存じの通り、チーズといっても種類は様々で、ミルクの種類や製法によりハードタイプやフレッシュタイプなどに分けられます。そんな魅力あふれるチーズについて解説していきます。
チーズの歴史
チーズの歴史は不明な点が多く、まだ正確な発祥地などは分かっていません。
そもそも、チーズは原料が得られる酪農を営んでいなければなりません。
羊や山羊が家畜化されたのは、紀元前10,000年前後であり、牛の家畜が確認されたのは紀元前8,000年前後とされています。また、紀元前3,000年ごろにはエジプトとシュメールで酪農が行われていた記録があることから、この辺りではすでにチーズが作られていた可能性があります。
家畜の当初の目的は、食料として食べるために放牧していたようですが、乳を取ることで恒常的に食料を得られることに気づいた人々は、乳を利用するようになったと言われています。
乳は、絞ってすぐ発酵を始めます。発酵が進み乳がヨーグルト状に固まったものを酸凝固チーズと呼び、発酵による殺菌効果で食べ物を守ってくれるため、イラクあたりを境に西側の人々はこの技術を利用していたようです。
では東側はというと、こちらはレンネットチーズのようなものが流行っていたようです。
レンネットは凝乳酵素のことを言い、乳を飲む動物の胃にある酵素です。
昔は、動物の胃袋を水筒として利用していたので、水筒に乳を入れて移動していたところ、乳が固形化したことがレンネットチーズの起源と言われています。
レンネットチーズは乾燥させれば日持ちするので、広範囲に広まっている記録があります。
こうしてチーズは世界中に広まっていきました。
日本のチーズ
日本最古のチーズは、600年代後半に仏教とともに伝わってきたとされています。
700年代には、「蘇」と呼ばれるものが宮中に納められたという記録がある。この「蘇」は「牛の乳7ℓを煮詰めて0.7ℓにしたもの」と書かれているため、「蘇」が日本最古のチーズと考えられています。
形状は不明ですが、熱した乳の表面に張る湯葉のようなものや、ただ固めたものなどいくつかの説があります
この「蘇」を熟成させたものを「醍醐」と言います。「醍醐」は甘く最上の食料であるとされており、昔の人々からはご馳走だったと考えられます。ここから「醍醐味」という言葉が生まれたとされています。
チーズの種類
チーズは、大きく分けると「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」に分けられます。
ナチュラルチーズ
乳のタンパク質と脂質を酵素で固めたもの、古代からのチーズと変わらず加熱処理されていないものを言います。
「フレッシュチーズ」、「セミハードチーズ」、「ハードチーズ」、「シェーブルチーズ」、「白カビチーズ」、「青カビチーズ」、「ウォッシュチーズ」と7種類のチーズがあります。
プロセスチーズ
ナチュラルチーズを加熱処理し殺菌したもので、熟成が進むこともなく保存機能が高いです。
使用されるナチュラルチーズの数は数種類で、ベース原料はゴーダチーズやチェダーチーズなどがよく使用されています。
チーズの栄養価
チーズは昔から栄養素の高い食材として人気です。
チーズ20gから牛乳200cc分の栄養を取ることができるなど、栄養価が凝縮していることがわかる。
加熱殺菌する前のナチュラルチーズでは、基本的には、たんぱく質、炭水化物、カルシウム、鉄分、ビタミンA、ビタミンB群など、人間が生きていくうえで必要な栄養が含まれています。
また、乳酸菌が大量に含まれているため、腸の働きをよくすることも知られています。
ビタミンは肌の調子を整えてくれますし、乳酸菌によって腸の動きもよくしてくれるので、チーズは万能食品と言えます。
タンパク質も豊富で筋肉を付きやすくしてくれることから、海外では「白い肉」なんて呼ばれたりもしています。
まとめ
チーズの起源は定かではないですが、紀元前から存在しており世界中で流行していました。
同じくワインも紀元前からあるため、古代の人々もワインとチーズを合わせて食事を楽しんでいたかもしれないですね。
チーズは、数多くの栄養素を持ち、バランスよく濃縮しているため、最古で最も信頼できる健康食品と言えるのではないでしょうか。