泡盛は沖縄を代表するお酒で、沖縄料理店で楽しむことが多いお酒ではないかと思います。
しかし、味も見た目も焼酎とよく似ているため、違いがいまいちよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、泡盛とはどんなお酒なのか、焼酎と泡盛の製法や材料の違いを見ていきましょう。
泡盛と焼酎の違い
泡盛とは?
泡盛とは、沖縄や琉球諸島で作られている蒸留酒で、酒税法上の蒸留酒類のうち、「単式蒸留焼酎」に分類される酒類です。
これは、米や麦から作られる焼酎(焼酎乙類)と同じタイプの焼酎という分類です。
米とアワモリコウジカビという種類の黒麹を使って発酵させ、蒸留を行い抽出するのですが、ほとんどがタイ米を使用して作ります。
また、麹は原料に使われる米のでんぷんを糖に変える働きをします。
タイ米は暑さに強く、保存に向いているなどの特徴もあり、米麴を作りやすく、酵母を加えてアルコール発酵させるときの温度管理がしやすいことが理由のようです。
琉球泡盛の名称は昔、高い位置からグラスに泡盛を注ぎ、できる泡の盛り具合でアルコール度数を決めていたことから「泡盛」と名付けられたんだとか。
ちなみに、泡盛や焼酎で名前の中に「黒」や「白」などがつく場合、それは使用している麹がどのような種類のものなのかを示していますようです。
泡盛の定義
泡盛の大きな特徴は4つあります。
- 「黒麹菌を使う」
- 「タイ米を使用」
- 「仕込みは一度だけ」
- 「単式蒸留器で蒸留」
焼酎の製造では主に白麹で仕込みを二度行うことが多く、日本酒は黄色麹を使い三回以上段階を踏んで仕込むことがほとんどです。
また、原料の米を、黒麹を使って米麹にし、それに水と酵母を加えてもろみにし、2週間ほどアルコール発酵させます。
仕込みは一度だけというシンプルな工程は泡盛独特のもので、泡盛以外の焼酎はこの仕込みの工程を2度に分けて行います。これも泡盛の大きな特徴となっています。
泡盛独自の味は、原料や製造工程によって生まれてくることがわかります。
泡盛ってどんな味?
香りが強く感じるのは、原料に黒麹菌とタイ米を使うためです。
結局焼酎との違いは?
泡盛と焼酎の違いは、麹の種類や仕込みの回数、使用する材料などによります。
焼酎は白米麹、酵母、水などで一次仕込みをしたあと、芋や麦、米など様々な材料で二次仕込みを行います。
一方泡盛は、二次仕込みをおこなわず、黒麹だけの一回しか仕込みをしません。
材料では焼酎はジャポニカ米を使用するのに対し、泡盛はインディカ米を使用して米麹を作ります。
また、大きな違いとして「古酒」の有無があります。
古酒とは?
古酒は、3年以上熟成された泡盛のことで古酒(クース)と呼びます。
泡盛は年月を重ねるごとに熟成し、アルコールの角がなくなることで、まろやかな味になると言われています。
しかし、単に保存しておけば古酒になるというわけではなく、泡盛も適当に放置していれば劣化してしまいます。それを防ぐのが「仕次ぎ」と呼ばれる方法です。
仕次ぎは、若い古酒と古い古酒を足し合わせることで、泡盛の劣化を防ぐ効果があるため、昔から用いられている方法です。
この仕次ぎを行うことで、100年を超える長期間の熟成が実現できるようになりました。
焼酎は、新酒でも美味しく飲める酒の為、味の向上目的で熟成が行われることはほとんどありませんでした。
焼酎の場合、製造工程で熟成は行いますが、これは味をまろやかにする目的というより、焼酎内のガスや油分などの不要な成分が抜けるのを待つ期間を指します。
そのため、焼酎の場合、長期間熟成させた「古酒」は存在しないということになりますが、最近では熟成させ、さらにおいしい焼酎を作ろうと試みている場合もあります。
まとめ
泡盛と焼酎は似ている印象がありましたが、麹、仕込み方法、原料など、違う部分が多く全く違うお酒でした。
もし、飲み比べができる機会がございましたら、一度違いを味わってみてください!