甲類乙類?焼酎の違い

甲類乙類?焼酎の違い

焼酎をより一層楽しむためには、甲乙の違いや原料について知っておくとより一層美味しくいただくことができます!
焼酎を最近嗜み始めた方、よく考えたらあまり分かっていない方などに向けて、より美味しく味わえるよう焼酎の魅力について解説します。

焼酎の種類とは?

蒸溜酒の区分

焼酎は、ウイスキーやブランデー、ラム、ジンと同じ「蒸留酒」に分類されます。
しかし、他の蒸溜酒と焼酎を区別するため、焼酎の原料と製造工程に条件が定められています。

例えば、原料では麦芽(ウイスキー)、果実(ブランデー)、砂糖(ラム)はこれらと区別するため、使用できないようになっています。

製造工程でも、他の蒸溜酒と区別するため、白樺灰を使えなかったりと厳しい条件下で製造されています。

焼酎の区分

焼酎は、蒸溜方法の違いによって「甲類焼酎」と「乙類焼酎」に分けられます。


蒸溜とは?

蒸溜とは、アルコール発酵を終えた液体(もろみ)を加熱し気化させた後、冷却して再び液体に戻すという工程です。

水の沸点が100℃なのに対し、アルコールの沸点は78.3℃と低いので、この沸点の違いを利用することで、アルコール分の高い液体のみを蒸発させることができます。
この蒸気を冷やして液体に戻すことで、よりアルコール度数の高い液体が抽出できるという仕組みです。

乙類焼酎

乙類焼酎は、単式蒸溜という方法を用いて蒸溜を行います。

また、国の定義では、

  • 単式蒸溜機で蒸溜したもの
  • アルコール分45度以下のもの
  • 麦芽や果実などを原料としてしようしていないもの
とされています。


昔ながらの単式蒸溜機で蒸溜された乙類焼酎は、原料の風味や香りを生かした個性を感じることができます。

 

甲類焼酎

甲類焼酎は、連続式蒸溜機という方法を用いて蒸溜を行います。

こちらも定義があり

  • 連続式蒸溜機で蒸溜したもの
  • アルコール分36度以下のもの

とされています。

甲類焼酎の特徴は、クリアであっさりとした味わいです。連続式蒸溜機で繰り返し蒸溜するうちにアルコール分のみ抽出されるので雑味が無くなり、乙類と違いすっきりとした飲みやすい焼酎になります。

混和焼酎

 乙類と甲類を合わせた焼酎で、割合が多い方の焼酎の分類が前についています。

混和乙類甲類焼酎(乙>甲)

乙類の比率が高いので、あっさりした飲み口ながら原料の香りや味わいを感じられます。乙類は少し合わないというかたにおすすめの混和焼酎です。

混和甲類乙類焼酎(乙<甲)

甲類の方が比率が高いので原料の香りは感じられますが、味わいは薄くなっています。炭酸や水割り、お湯割りなどで楽しむ方と美味しくいただけるでしょう。

本格焼酎とは?

本格焼酎は、伝統的な単式蒸溜機で一度だけ蒸溜して造られるため、分類は乙類焼酎になります。

本格焼酎は原料の持つ風味や香りが色濃く残っていて、独特の個性を生み出します。

単式蒸溜焼酎は穀類や芋類で造った麹と原料を発酵させ、蒸溜して造られますが、本格焼酎は麹の原料に穀類か芋類など決まったものを使うという規定があります。

本格焼酎の定義は

  • 単式蒸溜機で蒸溜する。
  • 「米や麦などの穀類」「芋類」「清酒粕」「黒糖」の4品目
  • 国税庁長官が定める49品目の原料と麹を使用する。
となるため、本格焼酎と名乗るには、厳しい基準をクリアする必要があります。

 

原料による違い

 

麦焼酎

 麦焼酎は、麦と麦麹または米麹から造られる焼酎です。

麦焼酎の特徴は、スッキリした飲み口と程よく香ばしい香りです。
なかには芋のように強いクセを持つ銘柄もありますが、多くはマイルドな味わいで後味もしつこくなくさっぱりとしています。


飲みやすい麦焼酎は、幅広い料理を引き立てる万能のお酒とも言えます。

芋焼酎

芋焼酎は、芋と米麹から造られる焼酎です。

麦焼酎や米焼酎に比べて原料の香りが強く、クセのある印象があるかもしれません。
しかし、芋独特の甘くまろやかな味わいがあり、芋や麹の種類、蒸溜法などの製法によってかなりの違いがあるのが特徴です。

個性が強い芋焼酎のつまみには、煮物などのしっかりとした味わいの料理がよく合います。

米焼酎

米焼酎は、米と米麹から造られる焼酎で、米の旨味とフルーティーな香りが魅力的です。味わいは米の品種や米の精米歩合によって若干変わってきますが、米が好きな日本人にとっては、比較的どの銘柄でも親しみやすいです。

お米がどんなおかずにも合うように、米焼酎は刺身や焼き魚、肉味噌などどんな料理とも相性バッチリです。とくに、野菜や豆腐メインの料理のようにさっぱりとした料理を引き立てられるのは、米焼酎ならではの特徴といえます。

紫蘇焼酎

しそ焼酎とは、しそを原料とした焼酎でさっぱりとした味わいがあり、芋焼酎や麦焼酎と比べて飲みやすいという点が魅力です。

しそが香る爽やかな風味が特徴で、米の甘味を感じることができます。

飲み方は、しそ焼酎は豊かな香りを生かし、ロック・水割り・お湯割り・ソーダ割りなどさまざまな飲み方が楽しめるのもポイント。また、甲類に比べてカロリーが低いため、ダイエット中の人にもおすすめです。

黒糖焼酎

黒糖焼酎は、その名のとおり、サトウキビから作られる黒糖を原料とした焼酎です。
黒糖の甘い風味がしっかり残っているのに加え、すっきりした飲み口をしているので人気があります。

「奄美黒糖焼酎」で有名な黒糖焼酎は、鹿児島県の南海に浮かぶ奄美群島の特産品で、別名「ジャパニーズラム」と呼ばれています。

ラムはサトウキビの蜜を使用するのに対し、黒糖焼酎は生成した糖を使用するという違いがあります。

まとめ

焼酎の味わいは、原料や種麹の種類、蒸溜法、熟成期間などによって変わってきます。

麦、芋、米、紫蘇など様々な種類があるので、興味を持った焼酎の特徴から好みのものを選び、飲み比べて味わいの違いを楽しんでみてはいかがでしょう!

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