日本茶の種類

日本茶の種類

お茶が同じ茶葉からできているのはご存じかと思いますが、日本茶は数が多く同じような見た目なのに何が違うのでしょうか?

今回は、日本茶の違いについて見ていきましょう。

日本茶の種類について

煎茶

煎茶は、緑茶の中でもっともよく飲まれている一般的な日本茶です。

そもそもお茶は、摘んできた生葉を加工することによって製品となります。

生葉は、摘採した時点から酸化酵素によって「発酵」が始まりますが、緑茶は新鮮な状態で熱を加えることで酸化酵素の働きを止めます。

この製法を「荒茶製造」と言い、荒茶製造で作られた一般的なお茶を「煎茶」と言います。

煎茶は、製造工程で熱を加える蒸し時間が短いため「浅蒸し」や「普通蒸し」とも言われるお茶です。

お茶の色が薄いのが特徴です。

 

深蒸し茶

普通の煎茶よりも2~3倍長い時間をかけて茶葉を蒸してつくったお茶のことを言います。

蒸し時間が長いため、茶葉の中まで十分に蒸気熱が伝わります。

そのため、葉の形状は細かくなり粉っぽくなりますが、お茶の味や色が濃く出ます。

青臭みや渋みが抑えられ、お茶をいれた際に細かくなった茶葉そのものが多く含まれるので、水に溶けない成分も摂取できるという特徴をもっています。

番茶

一般的に、9月頃より摘まれる、新芽が伸びて硬くなった茶葉や茎などを原料として作るお茶のことを言います。

タンニンが多いため渋みがありますが、さっぱりした味なのでほうじ茶や玄米茶に使われることが多いです。また、カフェインが少ないのが特徴です。

名前の由来は「番外茶からきている」や「晩茶から転じて番茶」あるいは「番小屋で飲んだお茶」という説もあります。

番茶は茶葉の採取時期や品質などによって、さまざまな意味の番茶があります。

一番茶(新茶)

その年の最初に新芽を摘み取って作られたお茶で、番茶の中ではもっとも品質が良いとされています。
煎茶の旨みの主成分であるテアニンが二番茶の3倍以上含まれていると言われている苦みの少ないお茶です。

二番茶

一番茶の後に摘み取られる茶葉で作られたお茶です。一番茶と対比するために二番茶と呼ばれており、一番茶より育成期間が短いので栄養分の量が少ないとされています。

三番茶

二番茶の約一ヶ月後に摘み取られた茶葉で作られたお茶です。7月になり高い気温になると育成速度があがり、短期間で摘み取り可能になりますが、カフェインの量は一番茶と変わりません。
三番茶を摘むと翌年の一番茶の味が劣る場合があるので、三番茶を収獲しない地域もあります。

秋冬番茶

三番茶を摘み取らず、夏が終わり枝葉が大きく伸びた秋に摘み取った茶葉で作られるお茶で、最も量があります。
夏の間じっくり栄養分をため込んだ茶葉には血糖値を下げる成分が含まれていることが知られており、カテキンも豊富なので健康が気になる方に注目のお茶です。

玉露

一番茶の新芽が伸び出した頃から、20日間ほど日光を遮り栽培した生葉を、煎茶と同様の工程で製造した茶を玉露と言います。

直射日光に当てないことで茶葉の光合成を活発化させ、旨みとなるアミノ酸のテアニンが多くなります。

また、カテキンの生成が抑えられるため、旨みが多く苦みが少ないのが特徴です。

海苔に似た「覆い香」が特徴的で、高級茶として知られています。

玉露と同様に、被覆栽培を行う緑茶として「かぶせ茶」がありますが、かぶせ茶は玉露よりも1週間ほど短い被覆期間です。

 

くき茶

玉露や煎茶の仕上げ工程で、新芽の茎だけを選別し抽出したお茶です。

独特のさわやかな香りと甘みが特徴で、艶のある鮮やかな緑の茎茶ほど甘みがあります。

赤褐色の太い茎は、機械刈りした硬い部分で、地域によっては「棒茶」として販売されています。

 

ほうじ茶

下級の煎茶や番茶、茎茶などを、強火でキツネ色になるまで炒って、香ばしさを引き出したお茶のことです。

ほうじ機でほうじ香が生じるまで加熱し、すぐに冷却することによってカフェインが昇華するため、カフェインが少なく香ばしさとすっきりとした軽い味わいが特徴です。

粉茶

玉露や煎茶の仕上げ工程で、廻しふるいなどで選別された細かい粉だけを抽出したお茶です。

茶葉そのものが抽出液に多く含まれるので、水に溶けない有効成分を効率的に摂取することができます。

お茶をいれた時の色合いは鮮やかな緑色で、味が濃く旨みが多いのが特徴です。

玄米茶

水に浸して蒸した米を炒り、これに番茶や煎茶などを1:1の割合で加えたお茶です。

お米により煎茶や番茶の使用量が少なくなることから、カフェインが少なく炒り米の香ばしさと、番茶や煎茶のさっぱりとした味わいが楽しめます。

番茶と組み合わせるのが主流ですが、煎茶とブレンドしたものや、抹茶入りのものなどもあり、ブレンド次第で味わいが変わります。

抹茶

抹茶の原料となるお茶は、肥培管理や被覆期間などを工夫して栽培されたものでてん茶と呼びます。

このてん茶を、石臼で挽いて1〜20μmの粉末状にしたものが抹茶です。

抹茶は、渋味の中に上品な旨みが広がる味わいが特徴で、茶道のお点前のほかにも飲料やお菓子、アイスクリームの原料など幅広く使われています。

まとめ

日本では、同じお茶でも摘む時期であったり栽培方法、煎り具合や加工方法で全く違う味のお茶を作り出していることが分かります。

産地の違いや加工方法が違う日本茶を飲んでみて、違いを感じ取ってみてください。

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