いつも気軽に楽しんでいる紅茶ですが、紅茶の種類はご存じですか?
紅茶には世界三大紅茶と呼ばれるものや、産地、季節ごとの違いなどでたくさんの種類があります。
今回は、代表的な紅茶の種類とそれぞれの特徴を見ていきましょう。
紅茶の種類
紅茶には様々な呼び方があり、それぞれの産地から収穫された茶葉を「エリアティー」と呼んでいます。
エリアティーは、収穫された地域や収穫時期によって香りや風味、味に大きな違いがあるため、地域名で区別されていることが多いです。
また、茶葉(エリアティー)から抽出した紅茶をそのまま飲むものを「ストレートティー」と呼びます。
ストレートティーは、茶葉本来の味を感じることができるので、産地の違いや作り手の違いなどを楽しむことに適しています。
ストレートティーと違って、さまざまな茶葉を組み合わせて作る紅茶のことを「ブレンドティー」と呼びます。
ブレンドティーは、お互いの特徴を活かした味わい深い紅茶が楽しめるのが特徴です。
ストレートティー
ダージリン
ダージリンは、世界三大紅茶の一つとして知られており、インド北東部のダージリン地方で収穫される紅茶の総称です。
ダージリンの香り高いマスカットフレーバーは、標高の高い場所で栽培されることによるもので、とてもよい香りであることが最大の特徴だといえます。
また、程良い渋みがあるため、さまざまな飲み方で楽しめますが、そのフルーティーな香りを楽しむためには、ストレートティーとして飲むのがおすすめです。
ダージリンの収穫時期は3〜11月と長いですが、収穫時期によって香りや味が異なります。
旬である5〜6月は香り、味、コクのバランスが整っているため、1年で摘むことができる葉の中でも最高級品として扱われます。
ニルギリ
ニルギリは、インド南部のニルギリ丘陵で生産され、スリランカに近い位置にあることから、セイロンティーと似た風味があることが特徴です。
柑橘系のようなやさしく爽やかな香りと、後味に適度な渋みがあるため、ストレートではなく、レモンティーやミルクティーとして飲まれることが多いです。
ニルギリは1年を通して収穫することができますが、旬は1〜2月です。この時期は冷たく乾いた風によって乾燥するので、香りや風味が濃縮し、品質の高い茶葉が収穫されます。
アッサム
アッサムは、インド北東部のアッサム地方で収穫されます。
世界最大の紅茶の産地と言われるアッサム地方で収穫できるアッサムは、コクのある濃厚な味わいと芳醇な香りが特徴です。
アッサムの収穫時期は4〜11月ですが旬は6〜7月で、旬の茶葉は1年の中で最も濃い味わいと深い香りを楽しむことができます。
アッサムは深いコクを持ち、味も濃厚なため、ミルクを合わせても味をしっかり感じることができます。
そのため、ストレートでも美味しいですが、ミルクティーにして飲むのがおすすめです。
インド紅茶として代表的な紅茶だといえるでしょう。
ウバ
ウバは、スリランカの南東部にあるウバ地方で収穫されています。
世界三大紅茶の一つで、クセのある渋みと清涼感のある爽やかな香りが特徴です。
ウバは、1年を通して収穫されますが、旬となる7〜9月は紅茶のなかで最も香りが強いとも言われ、高級品として取引されます。
また、出来の良いウバはタンニンが多く含むので、紅茶をカップに注いだときにふちが金色に見える「ゴールデンリング」を作ることができる、上品な紅茶としても知られています。
ウバの爽やかな香りやタンニンを楽しむには、ストレートのまま飲むのがおすすめです。
キーマン(キームン、キーモン)
キーマンは、中国の上海西部にある安徽省祁門県(あんきしょうきもんけん)で収穫されています。
ダージリンとウバ、そしてキーマンが世界三大紅茶で、フルーツのような華やかな香りと優しい甘さが特徴です。
収穫時期は短く6〜9月のみとなっているため、生産量が少なく希少価値が高いことから高値で取引されていますが、紅茶マニアが愛するほど美味しい紅茶です。
キームンは花を思わせる芳醇な香りと、蜜のようなやさしい甘みを感じられます。
その上品な味を楽しむには、ストレートがおすすめです。
安徽省祁門県で作られるものだけがキームンと呼ぶことを許されており、周辺で作られている紅茶とは明確に区別されている、格式の高い紅茶です。
ケニア
ケニアは近年、紅茶生産量世界2位になったケニアの中部や南部で収穫されています。
旬は1月下旬〜2月と7〜9月と短いですが、1年を通して質の良い茶葉を収穫できるため、価格が安定しています。
お茶の栽培にとても適している温暖なケニアの紅茶は、マイルドで飲みやすい味と、フレッシュな香りが特徴です。
また、ストレートで飲んだりミルクティーやフレーバーティーにしたりと、ケニアはクセが少ないため好みの飲み方でおいしく楽しめます。
近年急激に生産量が増えている注目の紅茶でもあります。
ブレンドティー
イングリッシュブレックファスト
イングリッシュブレックファストは、1日の始まりの朝食に合うようにと作られた紅茶です。
一般的には、しっかりとした味わいのアッサムやセイロン、ケニアの茶葉をブレンドしており、濃厚な香りと甘みが特徴です。
朝の目覚めにぴったりな、香りが強くコクのあるブレンドティーなので、ミルクを加えて楽しむのがおすすめです。
セイロンオレンジペコ
「オレンジペコ」というのは等級を表していて、茶の枝の尖端部分から2番目に若い葉で、まだしっかりと葉が開いていない柔らかい葉のことを指しています。
「セイロン」は、スリランカで収穫された茶葉のセイロンのことで、セイロンティーは数種類に分かれています。
そのため、セイロンオレンジペコは数種類のセイロンティーのオレンジペコをブレンドしたティーという意味ですね。
セイロンオレンジペコは数多くのセイロンティーがバランス良くブレンドされているのが特徴です。
セイロンオレンジペコのバランスの取れた香りと味は、上質な紅茶として世界中で愛されています。
バランスの取れたセイロンオレンジペコは、ストレートで楽しむのもおすすめですが、ミルクやフルーツを入れたりと、どんな飲み方でも合うと言われています。
アフタヌーンティー
イギリスには、午後に紅茶とともにお菓子を食べる習慣があります。
そのため、アフタヌーンティーはお菓子に合うようにブレンドされています。
茶葉はさまざまですが、ダージリンをベースにアッサム、もしくはセイロンとブレンドされるのが一般的で、午後のティータイムにぴったりの爽やかで上品な味わいが特徴です。
ストレートで飲んでももちろんおいしいですが、イギリスで最もポピュラーなアフタヌーンティーは、ミルクを大量に入れたミルクティーです。
ビスケットやケーキなどの甘いお菓子によく合うブレンドティーとして有名です。
ロイヤルブレンド
ロイヤルブレンドは、1902年イギリス国王のエドワード7世のためにブレンドされたのが始まりです。
セイロンに、ダージリンやアッサムなどを合わせたものが主流で、クセのない上品な味わいを楽しめます。
また、ロイヤルブレンドは、ストレートでも十分楽しめますし、ミルクを入れてもおいしいブレンドティーです。
ミルクティーで飲む場合は、ブレンドした茶葉の抽出時間を少し長めにするとよりおいしく仕上がります。
フレーバーティー
フレーバーティーは、茶葉に花びらやナッツを入れ、香りの付いた紅茶のことを指します。
茶葉に花びらが入った紅茶や、ナッツ、スパイスなど香りが豊富で、見た目が華やかなので、人気の飲み方です。
代表的なフレーバーティーとしては、「アールグレイ」があります。
アールグレイ
アールグレイは、ベルガモットと呼ばれる柑橘系の果実で香り付けがされた紅茶で、原料は中国茶のキーマン茶が使われることが多いです。
しかし、茶葉のブレンドは特に規定がないため、セイロン茶や、中国茶とセイロン茶のブレンド、稀にダージリンなども用いられます。
アールグレイは、イギリス首相を務めた「グレイ伯爵」が好んで飲んでいたため、そこから名付けられた歴史のある紅茶としても知られています。
イギリスでは最も人気のある紅茶で、ストレートティーはもちろん、アイスティーやミルクティーでも楽しむのができます。
まとめ
紅茶は、銘柄が違えば産地や特徴も異なるため、全く違う味を楽しめるのが魅力です。
そのため、いろいろな種類の茶葉を試しながら、それぞれの違いを楽しみ、時にはミルクやフルーツを入れて、自分好みの味にアレンジするするなど、紅茶を楽しんでみてください。