普段から手軽に食べているチョコレートですが、チョコレートがどこから来てどのように変化していったかご存じですか?
チョコレートのことをもっと知りたいという方や、チョコレートの作り方を知りたいと思った方のために、チョコレートの成り立ちについてまとめてみました。
チョコレートの起源と歴史
チョコレートの歴史を見ていく前に、チョコレートの原料になるカカオの起源について見ていきましょう。
カカオの起源
チョコレートの原料であるカカオは、太古から人類と深く長い関わりがあります。
カカオ発祥の地はエクアドルと言われていて、紀元前3000年頃からカカオが人によって栽培されていたという痕跡があります。
その後、メキシコ湾岸沿いのメソアメリカでは、紀元前2000年頃にオルメカ人と呼ばれる人々が、カカオの栽培を始めていました。
メソアメリカはメキシコ南部〜ホンジュラスあたりの地域で、アステカ文明やマヤ文明といった有名な古代文明が栄えた土地です。
エクアドルではカカオを栽培していた土器が見つかったものの、まだ謎は多くいまだにどのようにしてカカオが世界に流通していったのか分かっていません。
マヤ文明では、カカオは通貨として利用されており、貴重なものとされていました。
そのため、通貨であるカカオを味わうことができるのは、王族などの階級の高い人々だけだったようです。
カカオとの遭遇
1500年頃になると、ヨーロッパから中南米を征服しようという動きが始まりました。
その中でも最初にカカオに遭遇したのは、かの有名なコロンブスであったとされています。
コロンブスは、4度目の航海で訪れたホンジュラス沖合いのグアナハ島でマヤ人と遭遇し、カカオの貴重さを知りました。
しかし、当時スペインはアステカ征服に力を入れていたので、カカオがヨーロッパに広まることはありませんでした。
その後、1521年にスペインがアステカを征服し、カカオをヨーロッパに持ち帰ったことで、カカオは世界に広まっていきました。
カカオは滋養強壮の効果を持っていて、初めは薬として広まっていきました。その後、蜂蜜や砂糖を入れて飲みやすくし、この美味しさに当時のスペイン貴族は驚いたようです。この頃から、カカオドリンクは甘いものとして広まり、現在のチョコレートのイメージに近づいたとされています。
ヨーロッパ全土へ
カカオはスペインが独占しており、1600年代まで広まっていませんでした。しかし、イタリアの商人がカカオの栽培方法を持ち帰ったことで、瞬く間にヨーロッパ全土へ広まっていきました。
1700年代になると、産業革命により大量に栽培できる工場ができてきたので、庶民でもカカオドリンクを楽しめるようになっていきました。
その後、産業革命を機に、現在のようなココアや固形のチョコレート、ミルクチョコレートが作られるようになりました。
日本へ上陸
日本にチョコレートが伝わってきたのは1800年頃で、当時の日本は江戸時代でした。
長崎県の遊女の日記には、オランダ人からチョコレートを貰ったと記されているようです。これが日本最古のチョコレートの記録です。
その後、1878年に東京の両国でチョコレートが販売されていきました。
ちなみに当時はチョコレートを「貯古齢糖」と記されていたようです。
現在の生チョコやチョコケーキが開発されたのは、もう少し後で1900年代だったようです。
チョコレートの種類
チョコレートはカカオの含有量によっていくつかの種類に分類されています。
カカオ独自の渋味や香りが全く変わってくるので、どの種類のチョコレートが自分の口に合うのか考えてみましょう。
ダークチョコレート(ビターチョコレート)
ダークチョコレートはカカオマス、ココアバター、砂糖、香料などで作られたチョコレートのことです。
カカオマスとは、カカオの皮をむいて中身をすりつぶしてペースト状にしたものです。
ダークチョコレートは、カカオマスが40〜60%以上入っており、乳製品が入っていないため、カカオ独特の苦味と渋味、香りがあるのが特徴です。
実は「カカオ分○%以上のチョコレートをダークチョコレートと呼ぶ」といった明確な基準はありません。
さまざまな健康効果があることで注目されている高カカオのチョコレートも、ダークチョコレートの一つで、一般的にカカオ分が70%以上のものを高カカオと呼びます。
ミルクチョコレート
一般的なチョコレートと言われて想像するものは、このミルクチョコレートでしょう。
ミルクチョコレートの原料は、ダークチョコレートの原料+乳原料です。
ミルクチョコレートは、砂糖の甘味と乳製品のマイルドさがカカオの苦みを抑え、美味しさを引き立ててくれるため食べやすいです。
ミルクチョコレートに使われている乳原料には、全粉乳や脱脂粉乳など乾燥したものが使用されています。
実は、ミルクチョコレートは「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」というもので定義付けられています。
この規約によると、ミルクチョコレートと表示するためにはカカオ分が21%以上、乳固形分が14%以上含まれている必要があるとされています。
ホワイトチョコレート
ホワイトチョコレートは、ココアバター、乳製品、砂糖、香料などで作られたチョコレートのことです。
カカオマスを使用していないので、ホワイトチョコレートは、見た目もクリーム色でチョコレートと全く違うように見えます。
しかし、ココアバターもカカオ豆由来の成分なので、ホワイトチョコレートもチョコレートの一種といえます。
ホワイトチョコレートも規約などで詳細に定義付けられているわけではありませんが、原料としてココアバターを用いるチョコレートを指しています。
乳成分が多く、風味や味が大きく変わっているため、ミルクチョコレートは少し苦手という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まとめ
カカオの歴史は古く、大昔から貴重なものとして扱われていたので、昔から愛されている食べ物でした。
チョコレートは加工法によって、生チョコやトリュフといったお菓子になるので、触感を楽しみつつカカオ本来の味を感じてみてください。